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作品紹介

建築デザイン



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Kasuga (FUKUOKA)

園庭越しに三角屋根が見守る木造園舎

福岡県春日市は、福岡市の南側に隣接し福岡市中心部まで10キロメートル圏内という地理的好条件に恵まれた、子育て世帯の多い住宅地である。計画地は共同住宅に囲まれながらも、近隣には図書館・文化ホール、スポーツセンターや公園のある文化・緑の豊かな地域である。
本計画は、定員150名の比較的大きい規模であり、田んぼや畑、築山や雑木林など、できる限り広い庭を確保するため、木造2階建て園舎として計画した。敷地は周辺の住宅地に対して窪地部分にあり見下ろされる位置にある。園舎の外観はシンプルな切妻の屋根がT字で交わる架構とし、前面からは三角屋根がシンボルとなって見える。

園舎内部では2フロアでも園児の行動や雰囲気が分断されないよう、自由に行き来のできる保育室内の専用階段や吹抜け・ネット遊具を設け、上下階がつながる空間をつくることで、異年齢で触れ合えるインクルーシブ保育の実現を目指した。
園庭で活動する機会が多い。3~5歳保育室は1階に設け、縁側を介して南側の園庭に裸足で駆け巡ることができるように計画している。また、縦割り保育ができるように間仕切りを設けず広々としたワンルームとした。0~2歳児保育室は2階に設け、乳児でも園庭を眺めることができるよう、サッシは床レベルから高さを大きくとり、連窓のファサードとしている。また、園庭と立体的に繋がるように2階にも広いデッキスペースを設け、明るく開放的な半屋外スペースを計画し多目的に利用できる。
構造は大断面集成材の梁を使用することで保育室においても広々とした空間を実現している。1・2階ともに保育室内の連続した大きな梁は構造体表しとし、室内においても木の素材に親しめるようにした。
築山のアンジュレーションは地上から最大3mの高さとなり、乳児でも這い上がれる斜面や芝滑りができる急斜面も取り入れている。樹木は、園児の木登りや、花木、果樹など季節で楽しめるように選定した。