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作品紹介

建築デザイン



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Higashiterao (KANAGAWA)

谷を越え園庭と繋がる回遊性のある縁側

当保育は国が保有する職員宿舎を取り壊し、新たに民営の認可保育所として計画されたものです。
敷地はすり鉢状の地形に位置し、南側は30度近い斜面、東西方向においても地盤面が2mの高低差の段丘状で難条件のため、短い施工期間も考慮し、できるだけ現状の地盤面を継承して、東側を2階建て、西側を平屋として、2階レベルと平屋レベルが同一になるように計画しました。よって敷地の形状により、道路からみると2階建てに、園庭からみると平屋にみえる園舎となりました。
構造は、大断面集成材を用いて大空間を可能にするとともに、柱や梁は木材を表しにし、床や壁の子供が触れる仕上材にも木材を多く使用し、保育園としてあたたかみのある空間になっています。屋根形状は、南側園庭に大きく開き、かつ近隣の日照に配慮した片流れのシンプルな形状としています。
建物の動線は、道路からピロティを潜り抜けてエントランスや園庭側の縁側へアクセスすることとし、道路側からは想像もできないような緑あふれる園庭を見渡すことになります。
建物の構成は、1階が主に管理部門、2階に保育室を設置しています。2階の全保育室南西側に「縁側」と呼んでいる半屋外のデッキスペースや、西側の平屋部分では、雑巾がけや縁側給食など、雨の日や陽射しの強い日も遊べるように工夫しています。
また、敷地の高低差や斜面を生かした園庭へ同じレベルで出られるように2本のブリッジで結び、雑木林の中を周遊できるように、縁側を回廊状に配置しています。
このように、既存の一見使いにくい敷地の高低差をうまく生かしたことにより、築山や斜面のある自然と建物が一体化した中を裸足で思いっきり遊べる環境が創造できたと思います。